今年もまた16日がやってきます。この日は吉本隆明さんの命日です。毎年、墓参に行っていますが、今年も行きませんか。墓参りをして、帰りに近くの居酒屋で一杯のんで、歓談するというだけのことですが、今年もどうですかという 事です
本文を読む三上 治の執筆一覧
樺さんへ― 6月15日と今
著者: 三上 治樺さん、あなたがあの闘いの中で亡くなられてから随分と月日が経ちました。6月という季節は鬱陶しい雨の季節ですが、紫陽花の美しい季節ですね。多分、あの1960年の6月15日も街には紫陽花が美しい花を咲かせていたのでしょうね
本文を読む書評 『ナワリヌイ』プーチンがもっとも恐れる男の真実 ヤン・マッティ・ドルパウム、モルヴァン・ラルーエ,ベン・ノーブル 熊谷千寿(訳)
著者: 三上 治(1) ナワリヌイは弁護士でロシアの政治家である。プーチン体制に反対する反体制の政治家でもある。2020年の8月20日に飛行機内で毒殺に見舞われる。この事件では一命を取りとめ、ドイツで治療をしていた。2021年の初めに帰
本文を読む今年もまた、国会前で樺さんを偲ぶ集まりを
著者: 三上 治そういえばこの6月10日に追悼の催しを予定していた蔵田計成さんも毎年顔を出していたのが樺美智子さんを偲ぶ会だった。蔵田さんを追悼する会はコロナ禍の収まらない現状の中で中止になったが、彼の元気だったころの話が自然と思い浮か
本文を読む『渦 妹背山女庭訓魂結び』(大島真寿美)を読む
著者: 三上 治(1) 芥川賞や直木賞の候補者が全員女性だと聞いた時は驚いたが、すぐに納得もできた。瀬戸内寂聴や佐藤愛子を上げるまでもなく、女性の老大家は元気だが、それに比せば男性の老大家たちの元気な姿は見かけないからだ。政治の世界は未
本文を読む流砂16号
著者: 三上 治少し春めいてきました。もうすぐに桜が咲き出します。花見好きの当方としてはこころがうずきます。そして何となく花(桜)に魅せられ、花の下にて死んだ西行のことが浮かびます。西行のことは昔から好きでした。下獄したときに持って行っ
本文を読む3月10日「憲法についての討論会
著者: 三上 治案内 憲法についての討論会【第1回】 ●日時 : 3月10日(土曜日) 6時30分から ●場所 : 文京区シビックセンター地下会議室 ●主催 : 9条改憲阻止の会 憲法改正への政治的過程が進んでいる。憲法の改正は国会の発
本文を読む『帝国と立憲』(坂野潤治) 日中戦争はなぜ防げなかったか
著者: 三上 治(1) 毎年、8月には戦争の事が論じられる。これ中心には8月15日の終戦記念日の戦没者追悼の式典などがある。この時期には論壇も戦争の特集を組むし、雑誌は特集記事で飾られる。報道特集もある。8月13日にNHKが「731部隊
本文を読む『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)を読む
著者: 三上 治(1) かつては散歩のコースに何軒かの古本屋があってそこに寄るのが楽しみだった。本屋のおやじと話すのも、顔見知りの常連と会うのもそうだった。夜になると自然に飲み屋に出掛けるのと似ていた。だが、いつの間にかほとんどの古本屋
本文を読む『西郷隆盛紀行』(橋川文三・文春学藝ライブラリー)
著者: 三上 治(1) いつの間にか季節は秋を過ぎてもう冬になっている。暖かい陽ざしも陽が落ちれば寒々となる。秋の夜長を鳴き通す虫の声も遠のいてしまっているが、そういえば「読書の秋」というのもあまり聞かなくなった。あちらこちらの書店の店
本文を読む『流砂』13号発刊のご案内
著者: 三上 治やっというか、なんとかというか、『流砂』13号の発刊にこぎつけました。というわけでご案内申し上げます。昨年の11月末に12号を出し、今年は3月末を最初に年3回の刊行と意気込んでいました。順調に準備は進んでいたのですが、
本文を読む「何をなすべきか」と現在(七)
著者: 三上 治安倍政権は明瞭な形で中国の現在の国家の動向を認識し、それとの関係をどう作り出して行くかの考えを持っているわけではない。ただ、一定の形で浸透してきた中国の脅威感が国家意識やナショナリズム拡大になっている側面を政治的に取り込
本文を読む「何をなすべきか」と現在(六)
著者: 三上 治安倍政権が集団自衛権の行使の容認によって個別自衛権(自国の自衛権の行使)に限定されていた自衛権のなし崩し的な拡大を図ろうとしていることは自明であり、それは具体的にはアメリカの戦争への参加を意味することは明瞭である。アメ
本文を読む「何をなすべきか」と現在(五)
著者: 三上 治1990年の湾岸戦争から、戦争をめぐる戦後の日本の議論にこれまでと違う枠組みの議論を持ちこんだ。そこで生まれた消極的平和主義批判は本来ならば、地域紛争という戦争に関係する面と、これまでの国家の安全保障において国権を発動
本文を読む「何をなすべきか」と現在(四)
著者: 三上 治積極的平和主義とは言葉の上では消極的平和主義(一国平和主義、一国防衛主義)批判としてでてきたものであり、起源としては湾岸戦争(1990年の第一次湾岸戦争)における小沢一郎の「普通の国」という提案にあった。ここではアメリ
本文を読む天皇、および天皇制の所在 ─ 内野光子著『天皇の短歌は何を語るか』の書評
著者: 三上 治(1)やっぱり天皇(天皇制)というのは曖昧で厄介だ 天皇や天皇制についてはちょっとした事件が起きる度に、その存在の分かりにくさが露呈する。ごく最近では山本太郎が天皇に手紙を手渡した事件の反応がそうである。この事件をもっと
本文を読む特定秘密保護法案と国家の超権力化(弐)
著者: 三上 治特定秘密保護法案に対する批判や懸念が高まってきていることは周知のことである。これについては多くの分析がなされているが、ここで忘れてはならないことはこれが官僚側の権力強化の道であることだ。ここ何年間にわたって官僚主導の政治
本文を読む特定秘密保護法案と国家の超権力化
著者: 三上 治季節おくれの台風のもたらす雨が欝屈した気分にしているが、さらにもう一つ政治的に欝屈した気持ちにさせられそうな法案が上程されようとしている。10月25日に閣議決定した特定秘密保護法案である。 この法案の是非についてはメディ
本文を読む戦没者の追悼の歴史に新たな道が
著者: 三上 治靖国神社問題に関心を寄せる度にいつも湧く疑問があった。西郷隆盛等が何故に靖国神社に祀られないのか、ということだった。これは一般的にもよく語られることでもある。明治維新後の内戦において反政府側の戦死者は靖国神社に祀られてい
本文を読む政治家の見識と歴史認識
著者: 三上 治日本維新の会の共同代表である橋下大阪市長の従軍慰安婦について、「当時は軍の規律を維持するために必要だった」、「沖縄駐留のアメリカ軍司令官に風俗の活用を進言した」という発言に対する内外の批判が高まり、よくある政治家の失言と
本文を読む5月17日(金)は「共同幻想論はどう読まれてきたか」第1回目です
著者: 三上 治『共同幻想論』はどう読まれてきたか 「共同幻想論と今」と題した講座の続きが5月17日(金)から始まります。吉本隆明の『共同幻想論』をテーマにした講座を来年3月まで(9回)の予定で行います。吉本がなくなった後、改めて評価が
本文を読む小沢一郎政治裁判はまだ現在の政治的事件である(五)
著者: 三上 治対話風の議論から 小沢一郎政治裁判と日本の政治権力(2) A 君は「憲法の核心は権力の問題である」と言っていたね。それは憲法(法)が政治権力の統治のための道具ではなく、権力を制限し、縛る道具であれということをいいたいわけ
本文を読む小沢一郎政治裁判はまだ現在の政治的事件である(四)
著者: 三上 治対話風の議論から 小沢一郎政治裁判と日本の政治権力(1) A 日本の政治権力(統治権力)は制度《憲法》に基づいて運用されているというのが建前だが、恣意的で絶対的なものとして存在しているところがある。専制というのはそういう
本文を読む小沢一郎政治裁判はまだ現在の政治的事件である(三)
著者: 三上 治4月28日に開かれた政府の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」は奇妙なものだった。アメリカ軍の占領に終止符を打ち、戦後の日本が独立を達成した記念日としたいとする趣旨であると思われるが、安倍首相はサンフランシスコ条約で
本文を読む現状分析から見えてくること(二)
著者: 三上 治3)「戦後体制脱却論」ともう一つの世界論 安倍首相の政治構想《主張》は当面するものとしては上のところで記したものだが、もう一つ見て置かなければならないところがある。それは戦後体制の脱却論である。戦後体制脱却論は左右の立場
本文を読む現状分析から見えてくること(一)
著者: 三上 治1) アベノミクスはどういう幻想か 安倍政権の登場とともに内外での強い警戒があった。これは一言でいえば、保守と右翼の境の曖昧な政権がでてきたことであり、大きくはリベラルな部分が退潮している政治状況への危機感である。民主党
本文を読む小沢一郎政治裁判はまだ現在の政治的事件である(二)
著者: 三上 治戦後の日本の政治権力は国民の政治意思によって代表として選ばれたもので構成されている。という幻想態の中で存在する。国家権力は天皇の意思によって形成されているという戦前の存在とは違う。戦後憲法が国民主権をうたい、法治国家の形
本文を読む5月18日(金)は『共同幻想と今』の11回目です
著者: 三上 治昨年の5月20日(金)に吉本隆明の『共同幻想論』をテキストにした「共同幻想論と今」がスタートしました。テキストは角川書店の文庫本を使っています。 その間に吉本隆明が亡くなられました。巷では追悼の本も出ていますし、雑誌等の
本文を読む一体何が争われ何が明らかになったのか
著者: 三上 治「陸山会事件」といわれる小沢一郎裁判はいよいよ4月26日に判決を迎える。 検察側は証拠として提出した調書の採用を退けられただけでなく、検察の調書のねつ造も明らかになった。普通これなら控訴棄却になる事態である。そうでなくて
本文を読むイラク戦争を忘れられた戦争にしてはならない(3)(4)
著者: 三上 治イラク戦争を忘れられた戦争にしてはならない(3) アメリカのイラク侵攻時に掲げた「イラク自由化」「中近東自由化」という政治理念が一面であり政治経済的理由が詮索されたのは当然であった。これはイラクや中近東の石油支配であると
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